第一商品のセミナーで今井澂さんの講演「最近の投資環境と金相場」を聞いた(2015/12/19)

今後の投資環境を考える上で参考になったので簡単に纏めてみる。(記憶違いはお許し下さい)

1.金相場

来年は金は上がる。その理由は次の2つ。
・米国にとっての不愉快指数が上がる。テロとの戦いは、国家間の戦いと違って終わりがない。特に、loan wolf(一匹狼)型のテロは予防が難しく、これがニューヨーク、ワシントンなどの中枢で起これば大変なことになる。
・ペーパーマネーの信用が落ち、実物資産、特に金の魅力度が上がる。ユーロに対する不信任が起こる。特に、来年9月のドイツの大統領選挙までは表面化はしないだろうがその後はドイツ銀行の破綻が起こり得る。詳細は2015.9月の雑誌「選択」の記事に書いてあるが、四半期決算の大赤字、BBB+への格下げが起きている。選挙後は何が起こるかわからない。一方、米国は、FRBの利上げがあり、ドル高円安が常識だが、来年前半はやや円高になるのではないか。ニューヨーク株も三段上げを演じ、運輸株は下がっており、そうすると工業株も頭打ちになる。そろそろ天井感があり、ファンドの破綻などもありリーマンショック前夜のような感じになってきている。今は流動性不足に陥っているので金を買う人はいないが、来年8月ごろには動き出すかと。

2.中国経済

中国は、夏は上海株が暴落したが、自動車保有税を無くしたり、担保を担保に貸すなどの対策で不動産、株の暴落は無くなり、景気は良くなっているが中身は悪い。鉄鋼、アルミ等の国有企業に赤字がたまっており、国有企業はつぶれないと皆思っているが、ソ連崩壊を予想した長谷川慶太郎氏とも話したが、2017年頃に破綻が起きるのではないか。高度成長はどの国でも10年は続かない、2017年からは生産人口が減ってくるので、2018〜2019年が危ない。

3.日本経済

日本経済は大丈夫である。既に、中国から逃げ出し在中国邦人は17万人から13.5万人に減った。安倍首相は中国が暴動や内戦になった時どうやって日本人を助けに行くか考えて安保問題に取り組んでいる。
中国の核兵器重慶近郊にあるが、岩国の米軍基地はそれを見据えている。小松製作所の坂根会長は文芸春秋で中国は2011年に終わっているといっている。衛星で見れば、中国では20万件の暴動が起きていることが判り、公安警察が12億5千万元使って必死に押さえているが、もう押さえきれない。上海にいるマスコミの知人から聞いた話だが、中国の役人や党幹部から自分の子供を養子にしてくれないかと頼まれたが断った。中国人はそこまで危機感を感じている。
人民元IMFのSDR(Special Drawing Rights)に採用されたが来年の9月までに為替や資本移動の自由化を迫られることとなるが、そうなるとヘッジファンド人民元を売り崩そうとするだろう。中国経済は混乱し、日本の鉄鋼、造船会社が息を吹き返し、中国にぶら下がっている韓国は一発で駄目になる。
日本は1980年代のバブルの再来となる。その根拠は次の通り。
原油価格が安いこと。
・空前の金融緩和であること。黒田バズーカ3弾は起こり得る。
・長期安定政権である。(1980年代当時中曽根首相のもとで自民は300議席を超えた)
・強力な株の買い手がいる。(GPIF,3つの共済組合、日銀、ETF
・現在PERは13前後でバブルではなく、企業収益は円安、法人税下げで好調である。
・来年夏は衆参同時選挙が消費税を延期するかどうかで争われ可能性がある。
その他来年は、日銀が方針変更してマイナス金利へ、5/26-27の伊勢サミット、6/19以降の18歳以上への選挙権、オリンピック特需(30兆円)、成長率は3%前後へ、ジェネリック薬品、錠剤製造工場の高稼働、ホテル業界の好調、東南アジアとの交流の活発化、iPS細胞、研究開発費へのGDP3〜4%の投資、ロボット、農業や医学部などの岩盤規制に風穴を開けつつある、民泊、構造特区など好材料が目白押し。

         以  上

今井澂氏の公式ブログ http://kiyoshi-imai.cocolog-nifty.com/